あえば直道(共和党全米委員会顧問)が見た、トランプ氏を支える草の根の動き

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2012年の大統領選挙での負け、2014年の中間選挙での圧勝、そして、2015年トランプ氏の出現、すべてはまるでトランプ氏のために用意されたシナリオであったかのように物事はトランプ氏を大統領にさせるべく動いていました。それでも世界を含め、多くの人は女性初のアメリカ大統領ヒラリークリントン誕生を願っており、大統領選挙前は、安倍晋三首相はヒラリー氏にだけ会って、トランプ氏には会わないということをやってしまうなど、それだけヒラリー氏有利に物事が運んでいました。では、アメリカの草の根の部分では何が起きていたのか、細かく観察してきたあえば直道さんから見た視点から詳しく解説します。
2016年にCPACに初めて参加したあえば直道さんは、CPACでの体験を語っています。スピーチの内容が悪ければ、それが大統領候補であっても容赦なくブーイングを受けるという緊張感のある現場だったようです。あえば直道さんの場合は、全員がスタンディングオベーションだったらしく、ホッと一安心だったとか。トランプ氏ですらスピーチをしようとしなかったぐらいに、この場は大変なようです。一方、トランプ氏には別の思惑もあったとあえば直道さんは考えます。CPACを主催する団体は共和党の支持組織としては最強最大ですが、トランプ氏とは相容れない部分も多く、トランプ氏が大統領になることを臨まない人たちが多いのではないかとあえば直道さんは推察します。有力な候補ですらブーイングを浴びる環境であったため、それを避けるためにトランプ氏はあえて参加しなかったという見立てを行っていました。最初の討論会で、共和党の有力者たちは懐疑的な見方をする中、観衆はトランプ氏に拍手喝采、熱狂に包まれていました。相変わらず不法移民に厳しい姿勢を続けていたトランプ氏、これを支えたものはシリアの難民がヨーロッパに押し寄せ、テロなどが頻発したことで、不法移民に対する厳しい視線が送られるようになったためです。これを追い風にトランプ氏は過激な発言をやめず、むしろそれが武器とばかりに過激に、そして、観衆をあおり続けます。トランプ氏が過去にプロレスのイベントに出たときを思い出したかのように、政治、大統領選挙をショーのようにしていきました。
民衆の力を手に入れたトランプ氏に対し、伝統的な保守思想を持つ人たちもそれに迎合するようになります。2012年大統領選挙で共和党は敗北、共和党が求める政治はまたも実現できなくなっています。2012年は現職有利の選挙だから負けても仕方ない部分はある、しかし、次に負けたらまた8年間共和党政権は誕生しなくなるかもしれない、それならば考え方は違えどトランプ氏に賭けてみたいという思いはあったことでしょう。時代の流れをうまくつかんだトランプ氏、そして、勝てる候補を求めていた共和党やその支持者、それぞれの思惑が2016年の春に合致します。